三浦商工会議所

神奈川県・神奈川労働局等より雇用協力要請について


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          神奈川県・神奈川労働局等より雇用協力要請
 令和7年7月9日付けで神奈川県黒岩知事および神奈川労働局の児屋野労働局長から、「構造的な賃上げの実現及び雇用機会の確保等について」、また、令和7年6月9日付けで神奈川県教育委員会の花田教育長および神奈川県福祉子どもみらい局の川名局長から「県内中学校・高等学校・特別支援学校新規卒業者の雇用について」神奈川県商工会議所連合会を通して協力要請がありました。会員企業の皆様におかれましては、趣旨ご理解いただきご協力をお願い申し上げます。


●構造的な賃上げの実現及び雇用機会の確保等について
◎構造的な賃上げの実現等について
 政府においては、成長と分配の好循環を実現するため、足下での賃金引上げに向けた環境整備とともに、賃金引上げが高いスキルの人材を惹きつけ、企業の生産性を向上させ、それが更なる賃金引上げを生むという「構造的な賃上げ」の実現を目指しています。
 本県においても、本年1月20日には、持続的・構造的な賃金の引き上げや中小企業・小規模事業者の生産性向上と稼ぐ力の強化等を目指し、「神奈川政労使会議共同メッセージ」を発出したところであり、政労使が一体となった取組が必要なことから、引き続きの御協力をお願いします。
 また、中小企業が「構造的な賃上げ」を実現するには、その原資を確保するための適切な価格転嫁や企業間取引の適正化が必要不可欠です。
 事業者の皆様には、「パートナーシップ構築宣言」に御参加いただくとともに、その実効性確保のため、取引先から価格交渉の申出があった場合には積極的に応じ、労務費、原材料費、エネルギーコスト等の上昇分を考慮した上で、十分に協議を行い、取引価格を決定するなど適切な価格決定に一層の御配慮いただきますようお願いします。
 さらに、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の均衡のとれた待遇を確保するため、非正規雇用労働者への賃金引上げの確実な波及が重要です。このため更なる同一労働同一賃金の遵守と賃金引上に向けたWebサイト「賃金引上げ特設ページ」など、各種支援策の周知について、格別の御協力を賜りますようお願いします。
 なお、有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を3%以上増額改定した事業主を対象とする、キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)は、本年4月に改定され、6%以上の賃上げの場合、労働者1人当たりの助成額が6万5千円から7万円(5千円アップ)に拡充しているので、積極的に御活用ください。


◎就職氷河期世代等の支援について
 就職氷河期世代の中には、学校卒業時の雇用環境が厳しく、やむを得ず非正規雇用で就労したことで、正社員としての経験を十分に積むことが出来なかった方がおり、その中には就労意欲が高く、正規雇用での就労を希望している方が多数いることから、本人が希望した就労に向けた支援が必要となっています。
 現在、就職氷河期世代の支援については、対象を就職氷河期世代を含む不安定な就労を繰り返し就職に支援が必要な中高年世代に拡大し、 「かながわ就職氷河期世代活躍応援プロジェクト協議会」において、取組を推進しているところです。
 県・労働局としては、この協議会等を通じて、一人ひとりの事情や地域の実情に即した支
援につながるよう、カウンセリング、各種セミナー、職業紹介の実施など、国・県・産業界等が一体となって取組の推進を図っていきたいと考えていますので、引き続き最大限の御支援をお願いします。


◎障がい者について
 令和6年の障がい者雇用状況の集計結果(神奈川労働局)によると、県内民間企業の障がい者雇用は、実雇用率は2.40%であり、雇用障がい者数ととも過去最高を更新しました。
 実雇用率は特に精神障がい者の雇用が増加したことにより、過去最大の対前年比0.11ポイント上昇となり、事業主の皆様のご理解が進んだことや障がい者の社会参加意欲の高まりなどによって、障がい者雇用は着実に前進しています。
 こうした中、法定雇用率は2.5%から、令和8年7月に2.7%に引き上げられる予定であり、除外率も令和7年4月から一律10ポイント引き下げられたところです。
 そのため、事業主の皆様への支援として、労働局・ハローワークでは関係機関と連携し、障がい者の雇い入れのサポートを行っており、各種助成金や職場定着に向けた人的支援などの様々な支援制度も御利用いただけます。
 また、県では「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~(令和5年4月施行)」で、事業者の責務として障がい者社会、経済、文化、その他多様な分野の活動に参加できるよう努めることなどを定めており、障がい者の多様な働き方の推進が重要と考えています。
 そこで、長時間労働が困難な方を、週10時間未満の超短時間雇用につなげる取組を行っています。
 また、LINEを活用した雇用支援情報の発信、企業が職場指導員を設置する場合の補助事業のほか、今年度から障がい者雇用のノウハウが少ない企業を対象に相談窓口を設置し、アドバイザー派遣等を行うことを予定していますので、御活用くださるようお願いします。


◎女性について
 出産・育児等によりやむを得ずキャリアを中断した女性の中には、その後の再就職時にキャリアを適切に評価されないケースが見られます。
 事業主の皆さまには、正社員としての雇用機会の確保、現在雇用している非正規雇用労働者の正社員転換・待遇改善とともに、不妊治療や出産・育児・介護等をしながらも仕事との両立ができるよう、女性が働きやすい職場環境の整備につきまして、より一層の取組をお願いします。


◎高齢者について
 令和6年の高齢社会白書によると、令和5年度の労働力人口は6,925万人、うち65歳から69歳が394万人、70歳以上は537万人で労働力人口総数に占める65歳以上の割合は13.4%と長期的には上昇傾向にあります。
 また、現在仕事をしている60歳以上の者の約4割が「働けるうちはいつまでも働きたい」と回答しており、70歳くらいまでもしくはそれ以上でも働きたいとの回答と合計すれば約9割が高齢期にも高い就業意欲を持っており「人生100歳時代」が到来する中で、働く意欲のある高齢者が年齢にかかわりなく生涯現役で活躍し続けられる雇用・就業環境を整えていくことが必要不可欠となっています。
 こうした中、高年齢者雇用安定法においては、70歳までの就業機会の確保(努力義務)が必要とされています。引き続き、事業主の皆さまには、高齢者に合った仕事の創出や短時間労働の職の拡大など、働く意欲のある高齢者の多様な働き方に対応できる就業機会の提供について、より一層の取組をお願いします。


◎若年層について
 令和6年の国の労働力調査によると、非正規雇用に就いている若年者(25~34歳)の中で、「正規職員・従業員の仕事がないから」という理由による者の割合が、他の年代に比べて高い状況にあります。
 こうした中、将来を担う若年者が安心して働き続けることができるよう「ユースエール認定企業」制度の活用、卒業後3年以内既卒者の新卒枠での応募受付等による正社員としての雇用機会の確保とあわせて、キャリアアップ助成金の活用、神奈川働き方改革推進支援センターを利用した同一労働同一賃金の実現に向けた取り組みなどにより、不本意なまま非正規雇用で働き続けている若年者の正社員転換・待遇改善について、より一層の取組をお願いします。
 また、学生や生徒がアルバイトとして働く際には、学業に支障をきたすことなく健全に働くことができる職場環境の整備をお願いします。


◎新規学卒者について
 令和7年6月1日からハローワークにおいて、来春の高等学校卒業者への求人受付が開始されたところですが、企業の将来を担う有為な人材を確保し、県内の産業と雇用を守ることが極めて重要です。
 県内の産業を支える若者が、社会人への第一歩を力強く、希望を持って踏み出していくことができるよう、事業主の皆様には、中長期的な観点から高等学校及び大学等卒業予定者の積極的な採用を進めていただくようお願いします。


◎就職にあたって困難を抱える者等
 母子・父子世帯の親、ケアラー、中途退学者、ニートやひきこもり、LGBT、刑務所出所者、外国人労働者の方等は、就職にあたって個々の状況に応じた配慮が必要になる場合がありますが、企業において戦力として活躍している方は多くいます。
 事業主の皆様には、こうした方が働きやすい職場環境の整備、雇用機会の確保やキャリアアップなどについて、一層の御配慮をお願いします。


◎働き方改革等について
 働き方改革を総合的に推進するため、時間外労働の上限規制、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保等の措置を講ずる働き方改革関連法は、平成31年4月以来順次施行され、令和6年4月には建設業・自動車運転者・医師等についても時間外労働の上限規制が適用されました。その円滑な適用のためには、建設業について建設工事発注者、自動車運転者について荷主等と事業者の協力による取引環境の改善が重要となっておりますので、この上限規制の確実な適用により、取引環境の改善に御理解・御協力をいただきますようお願いします。
 また、テレワークの一層の推進を図るため、労働局では県内中小企業向けに今年度助成内容を見直し、テレワーク制度導入の助成を実施していきますので、テレワーク総合ポータルサイト及びテレワーク相談センター(厚生労働省)の利用などにより、テレワーク導入により一層御配慮いただくようお願いします。
 さらに、大きな社会問題となっているカスタマーハラスメントを根絶するために、政労使共同で「STOP!カスハラ!かながわ宣言」を3月に発出し、6月11日にはカスハラ対策等を事業主の義務とする労働施策総合推進法等の改正が発布されました。企業規模を問わず、法に基づくハラスメント対策を講じる義務があることを踏まえ、各種ハラスメントのない働きやすい環境づくりをお願いします。
 その他、育児・介護休業法の改正への確実な対応、時差通勤の積極的な導入や年次有給休暇の計画的付与、時間単位取得制度の導入・活用など、総労働時間の短縮やワーク・ライフバランスを実現できる職場環境の改善にも、より御尽力をお願いします。


●県内中学校・高等学校・特別支援学校新規卒業者の雇用について
 令和7年3月末における県内の高等学校卒業予定者の就職率は、94.7%と前年より2.8ポイント増加しておりますが、全国平均の98.0%と比べても3.3ポイント下回っております。また、就職を希望したにもかかわらず、就職先が決まらずに卒業した未就職卒業者は203人となっております。
 さらに、政府が発表した4月の月例経済報告によれば、雇用・所得環境が改善する下で各種政策の効果もあって、穏やかな回復が続くことが期待されておりますが、中学校・高等学校及び特別支援学校の生徒が希望する業種・職種が多種多様であることを鑑みても就職先を決定することは、依然厳しい状況となることが考えられます。
 これまでも若年者の求人に関しましては、格別の御理解と御協力をいただいているところですが、志願者の就業の機会を確保し、1人ひとりが安心して就業試験に臨めるよう、引き続き採用枠の維持・拡大及び未就職卒業者の採用につきまして、特段のお力添えをお願い申し上げます。                                       

以上

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